2007年10月10日 毎日新聞
初めてときがわ町をぶらついた。
行列のそば店は1時間ほど待たされたが、地場野菜のてんぷらに納得。
うっそうとした山道をドライブし、県内最古と伝わる慈光寺を散策した。
強アルカリ性の日帰り温泉で汗を流し、自慢のわき水で作る豆腐屋で晩めしのつまみを買った。
町めぐりの途中で、小さな牧場に立ち寄った。
引退した競走馬など10頭ほどが余生を送る。
中に2頭のポニーがいた。
えさのニンジンを手にすると、1頭がすぐにかけ寄って頭をすり付けおねだり上手。
もう1頭は、一歩下がって上目づかいで自分の番をじっと待ち続けていじらしい。
1頭はえさを与えられずに虐待され、1頭は牧場前に捨てられていたのだという。
かなりの高齢で、不遇の半生を送ってきた。
今は、ひっそりした自然に囲まれたときがわに、ようやく安楽の場を見つけたわけだ。
埼玉で3年以上になるが、いいところを見つけた。【金沢衛】